平均方向性指数（ADX）

ADX（平均方向性指数）は、トレンドの全体的な強さを測るために使われるテクニカル指標だ。

J. ウェルズ・ワイルダーによって開発された平均方向性指数（ADX）は、価格のトレンドの強さや、その勢いが上昇しているか下降しているかを測るのに役立つ。

重要なのは、ADXがトレンドの強さを測る一方で、トレンドの方向性を特定するものではないという点だ。

市場がレンジ相場にあるのか、新たなトレンドが始まっているのかを見極めるのに使える。

このオシレーターは0から100の範囲で推移し、高い数値は強いトレンドを、低い数値は弱いトレンドを示している。

ADXは方向性指数（DMI）と関連しており、実際、DMIにはADXラインが含まれている。

ADXの使い方

ADXはトレンド分析において異なるアプローチを取る。

価格が上昇トレンドか下降トレンドかを示すわけではないが、価格がトレンド中かレンジ中かを判断できる。

これにより、レンジ戦略でもトレンド戦略でも、現在の市場状況に合わせて取引を行うための効果的なフィルターとして有用である。

ADXは0から100の範囲で表示される。

ワイルダーは、25を超える値はトレンド市場を示唆し、20を下回る値はトレンドがほとんどないか全くないことを示唆すると考えた。

0の値は、価格がプラス方向にもマイナス方向にも等しく動く可能性があり、 全体的な市場トレンドが存在しないことを意味する。

100の値は価格がプラスまたはマイナスのいずれかの方向にのみ動いていることを示し、非常に強いトレンドがあることを示す。

以下にガイドラインを示す：

• ADX値が0-20の間の場合：トレンドの強さは存在しないか弱いと見なされる
• ADX値が25～50の間：トレンドの強さは強いと見なされる
• ADX値が50～75の間：トレンドの強さは非常に強い
• ADX値が75～100の間：トレンドの強さは異常なほど強い

60を超える値は稀である。

20未満の値は弱いトレンドと見なされ、反転の兆候となる可能性がある。

ADXが高い値から下降に転じると、トレンドが終焉を迎える可能性がある。未決済ポジションの決済を検討すべきだ

ADXが低下している場合、価格の方向性が弱まり、現在のトレンドが弱まっている可能性がある。トレンドフォロー型システムの使用には注意が必要だ。

ADXが長期間20を下回った後上昇した場合、現在のトレンドを取引するシグナルとなる可能性がある。

ADXが上昇している場合、価格はトレンドが強化されていることを示している。

• ADXの値はトレンドの傾斜に比例する。
• ADX線の傾きは、実際の価格変動の傾きに比例する。
• 価格トレンドの傾斜が一定の場合、ADX値は横ばい傾向を示す。

覚えておいてほしいのは、ADXは正と負の方向性指標の両方から導かれるため、トレンドの方向ではなくトレンドの強さを測るだけだということだ。

ADXの計算方法

ADXは DI+とDI-という2つの方向性指標から導かれる ：

• 正の方向性指標（+DI）
• 負の方向性指標（-DI）

これら二つの指標は、方向性移動指数（DMI）から導かれる。

ADXは、DI+とDI-の差、およびDI+とDI-の合計を求めることで算出される。

その差を和で割り、得られた数値に100を乗じる。

この結果が方向性指数（DX）と呼ばれる。

次に、DXの移動平均を取る。通常は14日間（ただし、任意の期間を使用できる）。

この最終的な移動平均がADXとなる。