アラメダ・リサーチ

アラメダ・リサーチは、FTX取引所の創設者で元CEOのサム・バンクマン＝フリード（SBF）とタラ・マコーレイが2017年に設立した暗号資産ヘッジファンド取引会社である。

バンクマン＝フリードは裁定取引、マーケットメイキング、ボラティリティ取引、イールドファーミングなど様々な取引戦略を用いてアラメダを有名にした。

SBFは2017年にジェーン・ストリート・キャピタルを退社した後、アラメダを設立した。同社ではETF部門で取引を担当していた。

2018年、アラメダが米国と日本の暗号資産取引所におけるビットコイン価格差を利用した裁定取引で推定2000万ドルを稼いだとの報道が流れ、バンクマン＝フリードは注目を集めた。

裁定取引の最も単純な形は、ある仮想通貨取引所でデジタル資産をある価格で買い、別の仮想通貨取引所でより高い価格で売ることで、両者の価格差から利益を得るものだ。この取引は、取引から利益を得られるほど価格差が大きい限り、繰り返し行われる。

当時、日本はビットコインの価格が米国に比べて高いことで悪名高かった。

アラメダはこの取引の一環として、1日あたり2500万ドルを取引していたと報じられている。

2022年11月2日、コインデスクはアラメダの140億ドルの貸借対照表に関する内部情報を報じた。資産の大半は、実はアラメダのサム・バンクマン＝フリードが設立した仮想通貨取引所FTXのネイティブ仮想通貨であるFTTであったと報じられた。

サムとFTXは、トレーダーへの報酬メカニズムとしてFTTを創設した。FTXユーザーはFTTを購入・保有することで、取引手数料の割引やその他の特典を得られた。

FTXはFTT暗号通貨の全側面を支配していた。FTTの人気が高まるにつれ、その価格は上昇し、社内でFTTの最大保有者であるFTXとアラメダも同様に価値を上げた。

アラメダとFTXの財務的結びつきが当初考えられていたよりも深いことが明るみに出ると、FTXの顧客は資金を引き出し始め、最初の3日間で合計50億ドルに達した。

その後、SBFら経営陣がFTXの利用規約に反し、顧客資金100億ドルをFTXからアラメダに移したとの報道が浮上した。これはアラメダの経営を支え、借入金の債務不履行を防ぐための措置だった。

FTXは多数のユーザーからの引き出し要求を同時に処理する資金が不足したため、顧客の引き出しを停止した。同様にアラメダもバランスシートが急激に縮小し、150社以上の暗号資産企業への不良取引や投資によって生じた負債を返済できなくなった。

アラメダは2020年11月17日、連邦破産法第11章の適用を申請した。破産申請書類によれば、アラメダは企業や投資家に対して50億ドルを超える負債を抱えている。

アラメダのウェブサイトは2022年11月9日に閉鎖された。その2日後、バンクマン＝フリードは会社全体が事業縮小に入ると発表した。